2020/9/16

旧聞に属するが、数学者のジョンコンウェイがコロナで亡くなったのを知ったのはつい最近である。彼は、ライフゲームで有名、かつ、ゾムツールの理解者でもあった。彼が、伝記作家?シオバーンと来日するというので、家内と二人で会いに行った。今は、カブリと冠名がついた当時IPUMと呼ばれ、数学と物理で宇宙の秘密を探るという筑波にある研究機関である。村山斎さんが機構長をやっていた時期で、彼とも初めて挨拶をした。
 2020年、9月の数学セミナーに、コンウェイの死を悼む、スタンフォードの時枝正先生による追悼文が、掲載された。時枝正先生とは、電機大の松浦先生をとうして、お名前は存じていた。その後、2018年9月のオックスフォードで開催された折り紙の国際大会で、ペレグリノ先生と一緒に宴席を共にした。私はペレグリノ先生とつい最近共著をUPした、三浦公亮先生の代理として出席して、ポスターセッションを受け持っただけである。
 時枝先生はその時ゲストスピーカーで英語での講演であったが、紙で作った二重螺旋上の輪をハサミで切りながら、cut, cutとくちずさむように、ハミングしながら、正方形にしてみんなを驚かせていた。その追悼文の最後に表現された文節を見て私は少し驚いた。多次元事象にかかわる射影という言葉も使いながらコンウェイにさようならを言っているではないか。 宮崎興二先生に怒られそうだが、心ある人は、佐藤郁郎先生も含め、みんなそっちのほうに関心が向かっているのではないかと秘かに思ってしまったのである。