2025/6/17

数学者は漂流する

優れた、または、傑出した、といった形容詞句を数学者の前に付けるか悩んだが、止めることにした。凡庸さは誰にでもある。漂流する数学者とはなんのいいか?

想像してみよう。自分が海の中を漂流している様を。孤独である。恐怖もある、絶え間なく襲う海水、真水への渇望。陸地への願望。海流との揺らぎ。それは恐怖なのか、それともまさかその逆なのか・・・。止まることの恐怖を常に予感している。それが数学者である。 漂流の孤独を恐れるものは、何歳になっても母親の元に戻る。サンクトペテルブルクのペレルマンのように。

私の友人の中にもそのような数学者が確かにいる気がする。名前を挙げることはやめておこう。この一文は、真に、彼らに対するオマージュである。